とある神官の話




「No.三、ねえ」

「ええ。五体あるうちの三番目が発見されていません」

「なあ。それもやっぱり"人形"か?」

「ええ。他のはこういった感じです」





 同じくファイルされていた書類から、発見された"器"の写真を見せられる。

 大きさは人。顔は無く、のっぺりとしている。写真のはばらばらに手足が折れていたり、割れていたりしていた。
 ダナ・フィルタの事件でも、"魂呼び"がされていた。あれは主に死体などを使うが、人形を使う場合もある。どちらにせよ脆い。まして陶器の"器"など……。

 何のために?





「術をした者は自殺、か」





 何をしようとしたのかわからないが、書きかけの闇術の陣を残し、破裂したようになっていたという。思わず眉をひそめる。
 しかも五体のうち、発見された四体は、発見されたときにはすでに魂は無い状態であった。つまり、喚ばれた魂が誰なのかもわからない。なら今のところ生きているとみていい、三番目が犯人か?


 はいずり回る正体は何か。


 まだ足りない。



 何かひっかかるような気がして、俺は書類一つ一つに目を通す。

 気がつけばすでに夕方に近かった。




  * * *



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