とある神官の話
「まず、アレは最近夜に事件を起こしている正体です」
壁に隠れ、息があがって話ができない私に変わって、ミイラ男がそう話す。
走ったせいか、顔やら手やらにまかれている、いささか乱雑な包帯が緩んでいた。包帯から覗く肌はいたって普通だった。怪我をして巻いているわけではないのか。
ミイラ男はたえず視線を動かす。
「貴方、聖都から来た神官でしょう。この辺りで見かけない顔ですし。かわいそうに、面倒この上ないことに巻き込まれて。しかも見たところ、まだ若い」
「貴方は」
「!来ますよ」
まって。
そう言ったが聞こえないだろう。私の腰にミイラ男の腕が伸び、そして―――――跳んだ。普通の人ならばありえない高さまで。