とある神官の話
色付いた葉が落ちていく。それを窓から確認しながら「今日はここまで」と言って本を閉じた。
部屋に並ぶ見習い神官も随分数が減った。頼まれる講義も減り、自分に割られた部屋にいることも増えた。ときたま名前も知らない女性にあれこれ話しかけられることもあるが、興味がなくそのまま。
そういえば。
彼女に会う前、自分はどう過ごしていたのか。
そう思うと、何たらは盲目というのも今ならばわかる気がする。見えるものが違って見え、感じ方も違う。
資料を纏めて室内を出ると、廊下は冷えた空気が漂っていた。彼女は今頃どうしているか。そればかりが頭の中に浮かぶのだから、苦笑せるしかない。
本当、重症だ。
宮殿にたどり着いたのと同じくして、見知った姿を見つける。表情が硬い。