とある神官の話





「ブランシェ枢機卿」





 近寄り声をかけると、ふっと表情か和らぐ「ゼノンか」

 ひかえていた神官に先に行くように命じると、「聞いたか?」と聞いてきた。何を、と自分が聞けば意外そうな顔か返ってきた。が、やがて場所を変えるために歩き出す。
 何かあったのか。




「禁書が何者かに持ち出された」




 驚いた。

 書物や資料は、厳重な管理がされている。その中でも禁書設定されているのは、禁忌とされる術が載っていたりするもの―――大抵は、闇術に関する書物や、危険な記述のあるものだ。




 禁書だからといって、読めないこともない。神官ならば、許可があれば読むことは出来る。監視がつくし、それ以前に複雑な術がかけられている。
 故に無理に開こうと、読もうとすると反発を喰らう。もし持ち出したのならば、その人物は深手を負っているだろう。





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