とある神官の話
「それは最近ですか?」
「いや、それがどうも違うようなんだ」
「キース、それは」
「擬装されていた」
一人の枢機卿が、禁書の棚をチェックしていて発覚した。
外見は禁書のままだが、中身が偽物だったのだ。ぱっと見ただけではわからないほど精巧に出来ていたという。故に発覚が遅くなったのだと。
いつから無かったのかわからない。厄介だった。
「――――覚えているか」
人の姿が見えない廊下で、キースが立ち止まる。窓に視線を向けながら「今から二十年ほど前」
二十年前。
様々なことがあった。当時の自分はまだ幼く無力だった時。
「約二十年前、力のある神官が姿を消した」
「……」
「猊下はあれらがまた出てくるかも知れぬ、と言っていた」
「彼らは何が目的なのでしょう」