とある神官の話
真っ暗になる前に撤収した私たちは、着替えるために部屋に引きこもった男を待っていた。同じくランジットも。
既に私は眠い。散々な一日でもう帰りたいとまで思った。あのミイラ男の捜索といい、吸血事件といい、何でこう次々とよくわからないことがあるのか。
うつらうつらしかけた頃「いやあ」という声で現実に引き戻された。
「直射日光浴びすぎまして、調子悪いのなんの」
「……」
「そう睨むとハゲますよ、ランジット」
「ハゲてたまるか!」
一体何なんだ。
漫才のようなやりとりに脱力感。何故ゼノンではなく私を寄越したのかわかる気がする。
知り合い同士ならば、ランジットとて変人たちを食い止められないからではないか。もう見た感じであのゼノンと同じなんだろうな、と私は確信した。どうりでブランシェ枢機卿も複雑そうな顔をしているわけだ。
包帯ぐるぐるミイラ男が、今は美青年に変貌している。