とある神官の話
資料室へ本を返却し、少し遅い昼休みとなった。秋に入り衣更えが完全となった今、半袖はやや寒さを感じるだろう。
長袖を捲り、買ってきたサンドイッチや飲み物をベンチ上に広げる。ほっとした。
あの子供が殺害される事件の犯人は既に目星がつき、行方を追っているということ。早く捕まればいい。
ブエナの心配も増えているようで、子供たちは外出を控えているという。私の気分は晴れずに沈んだままだ。溜息が出る。
神官となってからというものの、そういった死に関することばかりで、時折嫌になる。魔物ならばまだいい。相手が人間の場合、いつも苦しい。
私は助けられているのか?
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