とある神官の話





 何度めかわからないため息をついた俺。





「さて、早く聖都に帰りたいものです。キースとヘーニル弄り、それからハナタレエドゥアールにも会いたいですし、ああ、エドガーともお茶したい」





 いやあ、楽しみです。

 テンションが高くなるハイネンに、俺は胃痛を覚えた。






  * * *




 男は悩んだ。




「喚ばれた理由は何なのだ…?」




 男は悲惨な死を遂げたはずだった。それは今からずっと昔のこと。

 目覚めて驚いたのは、男と同族であろう者が、平然と人間とともに歩いていることだった。何故。男は何も感じない、ひびの入った顔をわずかに歪ませる。
 昔も今もさほど変わらない。だが、この体が朽ちる前に、終わらせて欲しかった。

 来る。




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