とある神官の話



 ようやく帰れる。

 見送りに来た双子は「ノーリッシュブルグにいらっしゃった際には是非」と言った。レスティとヨハンは後処理をするためにまだ帰れないそうだ「似てるな」



「レスティとお前」



 列車に揺られながら、眠そうな目を向ける。それもそうだ。連続して術を使用し、後始末をしていたのだ。
 あとのことはノーリッシュブルグの神官たちに任せ、自分達はひと足に聖都に戻ることとなったのである。報告書は出さなきゃならないだろうが「なぜ?」




「冷静な感じとか」

「そうですか?」

「ヨハンのほうはあれだ、ハイネンと同じ匂いがするがな」

「……」




 否定できない。

 むしろ肯定出来てしまう。お前もまあ変人の一人だろう。そう言われてこれもまた反論できない自分。変人とは失礼な。

 まあいい。


 私は目を閉じる。
 聖都についたら、君に会いたい。





  * * *



< 174 / 796 >

この作品をシェア

pagetop