とある神官の話
「前教皇から進められていたが、完全にするまえに身罷った。で、あの事件。減りに減った枢機卿の中から現教皇が選ばれ、実行した」
「随分無茶だったと記憶しています」
「ああ。ハイネンが言う"昔"に比べたら随分良くなっただろうな。だが、まだ通じている者がいる」
ちらりと見た机は乱雑していた。相変わらずだな。
そういえば出迎えた神官がかなり顔色悪かったが、きっとこの人が仕事をしないからだろう。恨めしげな神官の顔が過ぎった「あなたは」
「安心しろ。私は戦うつもりだ」
「っ……そうですか」
「いいことを教えてやろう」
笑み。
それは昔っから何か企んでいる時の顔とそっくり。思わず顔がひきつる。
落ち着け自分。
私の周りに変人が多いのは今に始まったことじゃないだろう。自分でそういってて溜息が出る。