とある神官の話







「まさか知り合いだとは」






 聖都中央から少し離れた場所にある、ブエナがいる孤児院に来た私は、親しげに話すゼノンとブエナに驚いた。


 いつ知り合いに?


 ブエナもそれは同じようで「知り合いならそう早く言えばいいのに」と笑った。まさか知り合いだなんて思うわけがない。私も神官としては真ん中あたりだし、経験もまた浅い。それに比べてバリバリな高位神官である男と接点など想像出来るはずがない。
 ましてや私は美人でも何でもないのだから。


 溜息をつく私からは子供達が賑やかな声をあげて遊び、神官の姿が見える。








「リース・ウィーンをここで保護することになったんですよ。ブエナさんは元神官ですから、何かと安心ですし」

「あの子が狙われた…?」







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