とある神官の話
ブエナは頷く。
視線の先には、子供達と打ち解けたリースという少女が包帯を腕にまいたまま走っている。彼女には身寄りがなく、赤ん坊のときに拾われたそうだ。
夕方。リースは急いで孤児院に戻ろうとした。が、ローブ姿の何者かに切り付けられたのだ。うまくリースは逃げた先には巡回神官が居て、戦闘になった。が、逃亡を許してしまった。
子供が殺害される事件と同一犯と考え、聖都にある孤児院には現在神官などが派遣されている。
「ああ、ちょっと話してきますね」
ゼノンはそう言うと、神官のもとへ向かう。
ゼノン自身は私とブエナのことは知っていたらしい。知らなかったのは私とブエナだけのようだ。
担当でも何でもないはあまり首は突っ込めない。だが、高位神官であるゼノンならあれこれ動ける。
それで、情報を教えてくれたのか。
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