とある神官の話
事件が起こり、私が調べていたとき、彼は何を調べているのか聞いてきたことを思い出す。それからというものの、私がその事件を調べている、ということをヒューズ副局長が耳にしたらしく、少し話は聞くことが出来るようになったのだ。
そのたびに「エルドレイスさんも調べていますよ」とヒューズ副局長は意味深に微笑んだのが気になるのだが。
「隅に置けないねえ、シエナも」
やや間延びした声。
「え、な、何がですか」
「何ってそりゃあ、エルドレイスさんだよ」
ブエナの言葉に私は間抜けな声をあげた。ブエナの顔には笑み。しかもやや悪戯っぽい笑みだ。
何故ゼノンの名前が出るんだ!
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