とある神官の話
* * *
時間が過ぎていくにつれ、景色が変わっていく。朝早かったからか、気がつけば眠っとしまっていたようだった。
がたん、という列車に揺られながら私は向かいに座る男をちらりと見た。男は目を閉じたままでいる。
ラッセル・ファムラン。
彼は約二十年前ほどの"あの"事件に関わっていたとされ、投獄されていた人物。会ったのは初めてだ「やはり怖いか」
目を閉じたまま男―――ラッセル・ファムランがそう口を開いた。
ヨウカハイネンが説明していたが、やはり怖くないといえば嘘になる。私は迷った結果、素直に「少しだけ」と答えた。するとラッセルが目を開け、微かに笑う。
「ま、そりゃそうだ。おっかなく思うのは普通さ」
「……すみません」
「謝ることはない。むしろ感謝さ」
「感謝?」
「若いお嬢さんと一緒に旅が出来るからなあ」