とある神官の話
「貴方は能力持ちの中でも希少な"魔術師"です。経験はいくら積んでも良い」
「?」
「というような考えを、ハナタレエドゥアールがしましてね。一人では難しいし危険でしょう。なのでノーリッシュブルグに行く私らと一緒のほうが安全性もあるし、なにより」
「なにより?」
ハイネンがにやにやしていたことに、その隣にいたラッセルが「お前気持ち悪いな…」と小さく漏らした。確かに。思わず同意したくなる。
何となく気づいたが、私はその嫌な予感をどうしようかと困る。が、その予感は的中することとなる。
「貴方を危険に晒せばゼノンにフルボッコされるので」
* * *
聖都。
雪が降る中、子供達が「プレゼント何にするか決めた?」などと話しながら過ぎていく。それを一人の若い枢機卿が歩いていく。
本格的な冬か到来したらしい。一度強い寒波がやってきてからというものの、雪は根雪となっだろう。
男――――キース・ブランシェはイライラを通り過ぎて、諦めの溜息をつく。
とある集合住宅のひとつに入り、ドアの前に立つ。一見ただのドアだが、とキースはそのままドアを"通り抜けた"。が、何とも独特な感覚にやや不快になりながら、先客に声をかけた。