とある神官の話






「貴方は能力持ちの中でも希少な"魔術師"です。経験はいくら積んでも良い」

「?」

「というような考えを、ハナタレエドゥアールがしましてね。一人では難しいし危険でしょう。なのでノーリッシュブルグに行く私らと一緒のほうが安全性もあるし、なにより」

「なにより?」



 ハイネンがにやにやしていたことに、その隣にいたラッセルが「お前気持ち悪いな…」と小さく漏らした。確かに。思わず同意したくなる。

 何となく気づいたが、私はその嫌な予感をどうしようかと困る。が、その予感は的中することとなる。



「貴方を危険に晒せばゼノンにフルボッコされるので」






  * * *




 聖都。

 雪が降る中、子供達が「プレゼント何にするか決めた?」などと話しながら過ぎていく。それを一人の若い枢機卿が歩いていく。
 本格的な冬か到来したらしい。一度強い寒波がやってきてからというものの、雪は根雪となっだろう。

 男――――キース・ブランシェはイライラを通り過ぎて、諦めの溜息をつく。
 とある集合住宅のひとつに入り、ドアの前に立つ。一見ただのドアだが、とキースはそのままドアを"通り抜けた"。が、何とも独特な感覚にやや不快になりながら、先客に声をかけた。



< 224 / 796 >

この作品をシェア

pagetop