とある神官の話
* * *
―――――ノーリッシュブルグ。
聖都からはノータムの村へは約丸一日かかるといっていい。そこからまたさらに進めば、ノーリッシュブルグだ。
ここは雪の街ともいえよう。降った雪の除雪されたものの壁が聖都の倍はあった。屋根に積もる雪を下ろす人々の姿もあった。聖都ではここまではない。
肌が痛く感じる寒さに震える私をよそに「いやあ相変わらず雪が沢山ですねえ」やら、「雪だるま沢山作れますね」と呑気なハイネン。あの人は無敵すぎると私は思う。ヴァンパイアというのはみなあんな感じなのだろうか。
太陽が照り付ける時はミイラ男なのに。今では嬉嬉として進む。
私の隣にいたラッセルもまた「確かに久しぶりだな」と目を細めた。
「わっ」
「っと、大丈夫か」
雪に足を取られた私に、横から腕が支える。ラッセルはにかりと笑ったのちに「滑るから気をつけろ」と言った。確かに気をつけなくてはならなさそうだ。
ノーリッシュブルグに来るのは初めてで、思わず辺りを見渡してしまう。それをラッセルが見ていたようで「もう少しすれば祭がある」と話してくれた。雪祭らしい。雪像を作るそうで、見てみたくなった。
そう二人で話していると、向こうからコートをきた男が向かってきた。