とある神官の話






「やあレスティ。元気そうでなによりですよ」

「ハイネンさんも」

「もしかして」

「ええ。フォンエルズ枢機卿から協力するようにと」

「彼も無茶なことを。貴方も暇じゃないでしょうに」




 親しげに話す男は、こちらを見ると礼をし、レスティ・ムブラスキ名乗った。まだ若い青年のようで、美しい人だ。青みがかった銀の髪に、黒の耳当ては目立つ。




「こちらは新たに同行して頂くことになった、シエナ・フィンデルさんです」

「レスティ・ムブラスキです」



 差し出された手を、手袋ごしに握り微笑む。私もそれに軽く微笑めば「あ」。それにラッセルとレスティがハイネンに視線を向けた「何です?」




「いいえなにも。ささ、行きますよ」



 まあいいかと私がレスティについていこうとしたら、ハイネンに意味深な笑み。ラッセルは既に前の方を歩いて、なにやらレスティに話しかけていた。
 手を顎にそえるようにして、私を見る。私としては寒さで顔が赤くなっているのであまり見てほしくはない。

 だが、ハイネンは「貴方も罪な人ですね」と訳がわからないことを言って歩きはじめた。
 何を馬鹿な。
 何となく予想できたが聞き返せば、彼の名が出た。やはりそうか。






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