とある神官の話
「貴方にはエリートでかつ美形凄腕高位神官ゼノン・エルドレイスがいるでしょう?」
「違います断じて絶対確実に!」
「そんな、照れなくても」
肩が震える。こいつ一殴って―――という時にレスティが振り返り「どうしましたか?」と聞いてきた。逃げるようにして進むハイネンを私は勿論追い掛ける。完全に遊ばれてる気がしてならない。
華麗に避けられるので、諦めようかとした。が、雪の壁が目に入り雪玉でも……と思った時。左肩に重み。ラッセルの諦めの顔。
「よくわからんが、諦めも肝心だ」
確かにそうだが。
早く行きますよ、と急かすハイネンを見ていたレスティが「まああの人ですからね」と苦笑。
どうやらハイネンはどこにいってもあんな感じらしい。何度めか知らない溜息を私はついた。
室内は十分な暖房がが入り、快適だ。長旅故に今日は解散したため、私は暫く滞在することとなる部屋にいた。綺麗な部屋で、トイレもお風呂もある。布団も温かそうだった。
どのくらい滞在するかわからないが、と不意に思い出す死。
思えば、とんでもないことになった。
元々私は"ただの"神官だった。たとえそれば希少能力持ち、"魔術師"の力を持っても、私は私で、枢機卿や高位神官との付き合いはほとんどなかったはずだった。なのに。