とある神官の話



「早く治してイベントは誘う予定なんですからとっとと問題解決したいものです」

「……ノンブレスかよ」



 "とっとと"などは無理だろう。わかっている。祝祭関係でも父は忙しくなる。そんな中で抜け出したのか。わざわざ顔を見に。あの人らしい。



「これはまだわからない話なんだが」



 ランジットは声を小さくした。それを見て一度手を挙げて制して、私はドアや窓に術を張る。



「枢機卿が選出されるかも知れない」

「この時期にか?」




 神官の中から枢機卿は出る。それはたいてい春なのだが。今時期にそんな話題が出るのは珍しい。

 しかし、一体誰が?




「こんな状況だらかだと思うが……」

「まあわからなくもない。なるべき人がまだ神官に留まっているのだからな」




 エドガー・ジャンネス然り。ヨウカハイネン・シュトルハウゼン然り。

 前者はともかく後者は父以上にわからない人だ。生きている年数が長ければああなるものなのか。
 誰がというのはわからない。が「噂になってるらしい。キースが青い顔をしてる」ということらしい。ミスラもいるらしいので尚更か。ランジットが持ってきた果物の詰め合わせはキースからなのだが、早く治してどうにかしとくれということか。
< 236 / 796 >

この作品をシェア

pagetop