とある神官の話








「神官のお兄ちゃんに、シエナお姉ちゃんはあげないぞ!」

「大切にする自信はあるんですよ?」

「俺だって!」







 どうすればいいんだ?


 遠巻きに神官がこちらを見ている。助けて!と視線を向けたら、即座に逸らされた。なにあれ、いじめ?羞恥心で死にそう。

 このままだとヒートアップしそうだ。何か手を打たねば。


 意を決した私は、カイムとゼノンの会話に「私を困らせる人は嫌いになりますよ」と言って終わらせた。
 しゅん、となるカイムはかわいくてやや申し訳なく思ったが、仕方ない。あのまま続けばゼノンが暴走しそうだったのだ。それは避けたい。





「……」

「何でちょっと残念そうなんですか、貴方は」







 まあ、と苦笑いをするゼノンに何でこう、と私は溜息をついた。

 すると再び私の手に熱。カイムが私の手を取り「遊ぼう!」と引っ張っていく。


 私があれこれ子供達にもみくちゃにされている中、「では私も混ぜて下さい」といったものだから、次の日私は筋肉痛で大変なこととなる。






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