とある神官の話





 聖都に比べて多い雪に圧倒。足元をよくとられる。ずぼりと埋まった足に何度よろめいたことか「シエナさん」

 広場の入口に、レスティがいた。颯爽と雪道を歩く姿はさすがだなと納得してしまいそうになる。彼はノーリッシュブルグの神官である。
 私は乱れた呼吸を何とか元に戻した。




「娼館のほうは?」

「そのこと何ですが、少々酷なこととなっていまして」




 どういうことだ?
 曖昧な部分で「とりあえず一緒にきて下さい」と言われ、私は歩きはじめる。背後で子供達にさよならと言われたのに、私も返答する。

 広場を抜け、道となった頃。道路側には雪の壁となっている。




「え」




 思わず足を止めると、一歩前で足をとめた。レスティもまた困ったようにして「ですよね」ともらす。

 それもそうだ。なぜ娼館に行って、その娼館を破壊することとなるのか!




「女性達の中に、紛れていた人かいたんです。それで捕らえようとしたんですが」

「……」

「何でああなるのか」




 何をやらかしたんだあの二人!
 レスティいはく怪我はないらしいが、それ以前の問題が―――――行方不明。何で行方不明!?
 ふとミノアの件を思い出した。ハイネン行方不明事件。今度はラッセルもだなんて。って――――――もしかして、もしかしなくても。私一人?

 めまいがした。

 どうりでブランシェ枢機卿がいつも青い顔をしているわけだ。

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