とある神官の話





「"捕縛"」




 銀の鎖が鞭打つように伸びたそれは、何体のハウンドを捕らえ―――――消滅させてゆく。
 だが、そう簡単にはいかない「シエナさん!」



「あらよっと」



 近くでそんな声がした、と思ったら氷塊。鈍い音を立てて真上に直撃。悲鳴に似た咆哮をあげたハウンドは消滅。
 何があったんだ?という前に、ずいっと腕を引かれて「怪我はねぇな」と一言。顔を見てあれ?と思った。青みがかった銀髪。「兄さん!」

 え、あ、兄!?




「あの二人はリリエフが出たとか言ってたぞ」

「ああもう!どうしてこう面倒なことばかり」

「まあ落ち着けよ」

「誰のせいでこうなっているかと――――――あ」




 レスティが我に返った。

 ハウンドを倒し終えた神官の視線と、私の視線が己に注がれていることにはっとしたようで「う、あ」と声を出した。僅かに頬を赤らめた様子を見て照れているのかと納得する。




< 243 / 796 >

この作品をシェア

pagetop