とある神官の話
「手記をノーリッシュブルグへ送りましたよ」
先程会議だったらしい。その帰還後の一本の電話により、ミスラの機嫌が最悪となった。
「また行方不明だそうだ」
「は?」
「ノーリッシュブルグからの報告からすると、な」
めまいがした。
聞けばシエナは無事、しかしあの問題児が行方不明。そしてよりによって"リリエフ"が出た。胃の痛みが復活。よろめいたキースに他の神官が不安げな顔。
あの人は!
ただでさえ忙しいのに。そしてミスラが仕事をしない。後でランジットをかりだしてやるとキースは誓う。
「まあ向こうには双子がいるし、ハイネンもいる」
「……いい加減仕事して下さいませんかね」
ふん、といったきり書類は片付かず。次々と補佐役の神官が死んだ目をしていく。さすがにやってもらわなくては困る。
ヒューズが死んだ後、ロマノフ局長は臨時副局長となったエドガー・ジャンネスが抑えている。あの猪武者も悔しいだろうな、とミスラがぽつりと呟いた。
悲しんでいる場合ではない「猊下は」
「これをどう片付けるおつもりなのか。前の同じく簡単ではあるまい。ヒーセル枢機卿やら何やらは相変わらずだしな。外野は黙って隠居していれば良いものを。近いうち引っ込ませてやる」