とある神官の話
書類が山のように積み重ねてある。それはいつものことだ。書類のことは後で言うとして、とヒューズ副局長は再び話す。
「ダナ・フィルタじゃなかった、ねえ」
「ええ。彼女は別人でした」
先日、巡回神官が発見したのは、ローブ姿の女。ダナ・フィルタによく似た背格好だったために神官は追いかけた。
使用する力が違うこと。顔を見れば別人だった。気絶させて調べると操られていたことがわかった。
腕に描かれた陣。それは闇術の一つ、禁術だった。現在神官の手当をうけ、事情を聞いている最中だ。
運がよかったのは、あの場にゼノンが駆け付けられたことだ。でなければ神官はやられていただろう。
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