とある神官の話






「似せられた、のほうがいいのかもな」

「ええ。ダナ・フィルタ以外の人物も絡んでいるでしょう」

「あー面倒くさいねこりゃ」







 頭を掻きむしるロマノフ局長は溜息。事件なんて腐るほどある。その証拠に机の書類。そして神官の少なさ。

 調度悪いタイミングで、別件の事件が起こった。それに人が出ているのだ「それで」







「孤児院のほうは大丈夫か」

「今の所はリースという少女も無事ですよ。シエナさんにもついてもらっていますから」

「そうか」





 安堵。仕事して下さい、という視線と圧力に、ロマノフ局長の手が渋々動き始める。

 さて自分も、ヒューズが仕事をしなければと戻る前に「今日はちゃんと仕事して下さいね」と釘をさす。それを聞いたロマノフは「わかってる」と返した。






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