とある神官の話
「シエナさんって」
「はい?」
レスティが些か渋る。
「凄い人達に囲まれていますよね」
で聞こえていたらしい、ラッセルが「ぶふっ」と吹き出す音。あれ……否定できない。
奇人変人代表がゼノンだったのに、気がつけばハイネンが加わった。一人一人見ると凄い人ばかりだろう。「出来れば普通でお願いしたかったです」と漏らした私に、レスティは笑った「でも」
「どうやら無理そうですよ?」
それはどういう、と私は口を開いた。が、"それ"はハイネンと同じく化けているとしか言いようがない。「じゃ、私は別件がありますのでまた」と明らかに逃げたレスティを密かに恨む。
先にヨハンが事件が起こったとかで借り出されているのだが、彼もそれに向かうのか。いやまてそうじゃなくて。
銀色の髪が揺らすその男は、ハイネンと同じく珍しい正装姿をしたゼノンだった。
「惚れましたか?」
「冗談は顔だけにして下さい」
ハイネンが主に動く中、同じくその手伝いをすることとなっている。
現地の神官もいるから、というのだがハイネンは武装神官を置くことを薦めた。私とアゼル達も参加することとなっているのだが、と思いを巡らす。
聞けばリリエフが姿を消したのはいいが、もしかしたら私が狙われるかも知れないとハイネンは話した。私が腕を吹き飛ばしたから。それに復讐しに来るかもしれないと「シエナさん?」
「何でもないです」
「そう、ですか。なら」
軽く手を取り、「ちょっと出かけませんか」と言ってきたものだから私はぎょっとした。何を馬鹿なことを。
それは明らかに「デートか?」
珍しくにやついたラッセルに、アゼルやハイネンの視線を集めてしまう。余計なことを!アゼルが鬼のような形相をしてこちらを(ゼノンを)見ているのだが、本人は無視。