とある神官の話
手のには、小さな包み。
それはゼノンから貰ったものだ。
祭日に贈り物をする習慣があるのは知っている。きっと聖都ではゼノン宛てにプレゼントが届いているだろう。
彼は、女性達をあまり相手にしない。それはランジットが話していた。だから最初、ゼノンが私を追いかけていることに驚いたのだという。"あの"ゼノンが、と。
私だってそうだ。
何故私なのだ。何故。
包みを開ける。そこには「おやネックレスですね」
「ぎゃっ!」
背後から声。いきなりすぎたそれに、酷いとしか言いようがない声を出してしまった。振り返ればそこには、にやついたハイネンが立つ「ハ、ハイネンさん!」
わざと気配を消して近寄ったらしい。何なのこの人。もう何なの!
心臓がばくつく中、私は落ち着け自分と何度も落ち着かせる。
「もしかして」
「……何ですかそのにやにやは」
「いいえー?」