とある神官の話




 紅茶飲みますか?と聞けば、ええと返事。私は用意していく「しかし」




「ゼノンもまたキザなことをしますね」

「私、誰から貰ったかいいましたっけ」

「おや、やっぱりゼノンだったんですね。ふふふふ」

「(鎌をかけたのか!)」




 腹立つのと、照れと恥ずかしさ。ああ何なんだ。
 ここにランジットがいたら多分、同情してくれるはず。


 ゼノンからもらったもの。それは、ネックレスだった。デザインはシンプル。小さな石のついたそれは、普段身につけても違和感のないものだろう。趣味がいいと認めるしかない。
 プレゼントを贈るのは、確かにゼノンを見ればキザに感じるかも知れない。

 紅茶を受け取ったハイネンが「ハリベヌス一世の話を知っていますか」と口を開いた。




「ミゼレットへの求婚話なら、ゼノンさんから聞きましたよ」

「ほう。ではそれの話は?」



 示すのは、ネックレス。見たところ何もないが?






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