とある神官の話
「もし、君が闇に取り込まれ堕ちそうになるなら―――――」
「わかって、います」
強く。
いや、そんなのは望んでいなかった。本当は、静かに平和に暮らしたかった。私は私でいたかったから。でも、私が生きているなら
力の入る指先が、服に皺をつくる。
「難しい話はここまでだ。ここからは俺個人の話しと意見とその他だが―――お前さんは、大丈夫だ。向こうになんか堕ちやしない。それにお前さん、中々の女と俺は見た!」
「……へ?」
その容貌に不釣り合いな口調と、行動。目を丸くしてしまった私に、エドゥアール二世が続ける。