とある神官の話
いくつかの破片が、宙に浮いていた。その破片はよく見ると、体の一部である。まるで人形のようなその部分は陶器のように白く、断面以外は美しいとも言えよう。
その真下には、赤黒い色。大きさは平均的な身長の男性が一人寝そべることが出来るくらいの円状の陣が描かれている。赤黒い色は血液が時間がたち変色した結果。
そこに、いくつかの影。全身をローブで覆い、その浮遊する物体を眺めた。
「あと一人の小さき命と」
「あと一人の命を捧げよ」
もうすぐ、会えるわ。
女―――ダナ・フィルタはそううっとりと微笑んだ。
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