とある神官の話





「お帰りなさい、ゼノンさん」






 野暮用で出ていた用事が済み、再び宮殿に戻ってきた。部屋には一人、高位神官が紅茶を飲んでいた「ただいま戻りました」

 同じ高位神官である、エドガー・ジャンネス。背筋が伸びた年配の神官である。紅茶はいかがです?と誘われたので「いただきます」と返事をした。
 自分が処理しなければならない書類を確認しようとして、見慣れないものがあることに気がつく。小さめな包みで、軽い。





「先程、シエナさんがいらっしゃいましたよ」

「シエナさんが?」

「ええ。それを渡しにきたというので、私が預かりました」







>>
< 34 / 796 >

この作品をシェア

pagetop