とある神官の話
「お帰りなさい、ゼノンさん」
野暮用で出ていた用事が済み、再び宮殿に戻ってきた。部屋には一人、高位神官が紅茶を飲んでいた「ただいま戻りました」
同じ高位神官である、エドガー・ジャンネス。背筋が伸びた年配の神官である。紅茶はいかがです?と誘われたので「いただきます」と返事をした。
自分が処理しなければならない書類を確認しようとして、見慣れないものがあることに気がつく。小さめな包みで、軽い。
「先程、シエナさんがいらっしゃいましたよ」
「シエナさんが?」
「ええ。それを渡しにきたというので、私が預かりました」
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