とある神官の話


 そこでは秘密裏に暗躍していた者たちと戦闘になった歴史がある。おおっぴらにされていない理由は、やはりその内容にあった。
 当時、枢機卿であった男を筆頭とされていたのだ。無理もない。




「おいちょっと待て。つーことはよ、ジャナヤに今誰かがいるってか」

「ああそうだ。しかも先遣した神官が帰ってこない」

「それで、私らにと?」

「いや、まだその命はない。あそこは――――」




 キースが口をつぐんだ。

 まだ他に何かあるのか?と思っても、彼はいわず「ところで」と別の話題となった。

 何か、引っ掛かった。
 だが、何ともいえない。


「お前ら、ハイネンには会ったか?」

「いいえ。会っていませんが」

「嫌な予感がするんだ」

「……、あの人は破天荒だからな」




 嫌な予感。
 それは彼を考えれば常に当てはまってしまうではないか。そう突っ込みを入れたくなる。おそらくランジットもだろう。

 聖都に戻ってきてから、ハイネンにはさほど会わなくなった。それよりも問題はシエナだ。シエナ優先である。
 今日もこの後孤児院に足を運ぼうかと考えているのだ「おいゼノン」





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