とある神官の話
「交代だ」
そんな声がして、立ち上がる。顔色の悪い奴ならばいくらでもいる。万が一のためにいつも、剣の感触を確かめてしまうが、まずないだろう。
背中に子供達の視線を感じながら入れ違いに出ていけば、壁に寄り掛かる悪魔がいた。燃えるような赤い髪に、口元に笑みを浮かべた男「何だ」
気味が悪かった。
指名手配犯として行方を追われている男は「真面目だね」という。
「それが……何だと言うんだ」
「うーん。真面目過ぎるのも良くないよ?」
不気味すぎるほど静かな廊下を歩き、閉鎖を象徴する、奥の壁を見遣る。まるで城塞だ。高くそびえた、比較的新しい壁は何を護るというのか。こんな、こんな場所で―――――。
きりり、と背中が痛む。それは罪。罪の痕だ。
俺は、この男が気に入らない。気に入らないからといって、俺がどうにかこうにか出来るわけもなく。拾い主が言うのなら、仕方ない。仕方ないではないか。私は兵器でもあるし、刃であり、盾でもあるのだから「ルゼウス"ちゃん"」
「何でしょう」
わざと、か。
俺は悪魔―――ヤヒアを見遣る。