とある神官の話
私は、あの女性に殺されそうになった。死ねるかな、死んでいいのか?まだ、私にはやりたいこととかあるのではないか。痛い苦しい。
鮮血が舞った。
女性を私は、私は殺した。無意識な防御や拒絶が"力"となって女性を切り裂いた。呆気なかった。今まさに私を殺そうとしていた大人が、子供の私に殺された。
殺したの?私が?
馬鹿みたいに震える。血にまみれた私の手と服。赤。
呆然とした私に聞こえたのは村からの悲鳴だった。ゆっくり、私は血まみれのまま入口へと向かう。苦しくないのに苦しい。辛い。ああ誰か。
化け物と石を投げた彼らは、私を助けてなどくれないだろう。けど、誰かに縋り付きたかった。あたたかさが欲しかった。普通が欲しかった。
外は、酷かった。黒い何かが駆けずり回る。魔物。魔物か。助けて!喰うなぁあ!そんな声に混じって、何かが壊れたり、または案ずるような声。
「―――――」
綺麗な、見慣れない衣の人がいた。
村は小さく、あんな人は見たことがなかった。誰だろう。私は入口で突っ立つ。彼らは一人じゃない。まだ他にも似たような人がいて、変な力を使っていた。
いきなり凍ったり、炎に塗れたり、あるいはものを投げ飛ばしたり。直感的に、私と似ている―――そう思った。