とある神官の話
ラッセルが見ていたのは、ついさっき回ってきたもの。わざわざ私が取り寄せたのである。
衛兵が発見した少女の腕、背中には赤黒い色をした模様――――禁忌とされた闇術の痕だった。
幸いだったなはそれがまだ、消せることだ。施した者もさほど上手くないようで、今神官が術を施し、消しているだろう。問題は他にもある。
少女が持っていた紙には、こう書かれていた。
―――――迎えに行くよ。
「意味わかんねぇよ」
頭を掻きむしるラッセルに、確かになと思う。何かを取りにくるというのか。女の子か?ラッセルの言葉に首をふる「恐らく―――」
私はそこで言葉をとめた。
つい最近、"あの土地"へ先遣した神官らが帰らないこと。やはりあの土地で、何かがあること。あの土地は、大嫌いだ。
胸糞悪い。
引き継いだとしか思えなかった。あのやり方は、"あの人"が殺した者にそっくりだ。あの糞野郎……。あ、と声を出した。そうだ、そういえば。
―――私が死んだところで、私の意思はつがれる!