とある神官の話
机に向かいながら、私は父さんの話を聞く。その時初めて、私の力が"魔術師"と呼ばれるものだと知った「いいか」
「使い方を間違えれば、取り返しの付かぬことになる。故にこの"異能持ち"は神官になることが殆どだな」
「じゃあ、私も?」
「常に監視される民間人でいるより、神官のほうが自由ではあろうな」
父は、私が神官になろうが何になろうが、私の自由にせよと言った。けれど、私は神官になった。
ど田舎にいる神官で、父さんが実力者だということを知るまでにそう時間はかからなかったから。私は、父さんのようになりたかった。役立ちたかった。大好きだ、シエナ。我が娘。そう言ってくれる父が、私は大好きだった。
見た目はいいのに、服装に気を使わないためにやや残念。美しい容貌には不釣り合いな人物。
私に何重にも術をかけ、「知らない人にはついていかないこと。何かあったら死ぬ気で逃げろ」と言い聞かせてから出かける人―――セラヴォルグ・フィンデル。