とある神官の話



 ヒーセル枢機卿らは、何を考えているのか。本格的に動くなら、私は潰すだけ。それはミスラも同じだろう。
 ただでさえシエナ・フィンデルは、あのゼノンのせいで色々と有名なのに。ああ、困ったものだ。




「彼女は、色んな意味で無敵です」

「まあ、だろうな」

「私は彼女に初めて会ったのは最近ですが――――。父にはセラヴォルグ、バックにはゼノン・エルドレイスやキースがいます。しかも女性のアゼル・クロフォードもつわものです」

「……そういや、ゼノンの親って」




 ラッセルが「うっわ、敵にならなくてよかった」と本気で呟く。

 彼、セラヴォルグは己が死んでもシエナが生きていけるようにした。それは場所といい人といい、本当にやられた、と思うほど。笑ってしまう。

 本当に最強だ―――。

 再び「では、続けますが」と切り出せば、ラッセルは真面目な顔に戻って頷く。



 シエナ・フィンデルのもう一つの過去―――――。





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