とある神官の話



 私を「大好き」だと言ってくれた人は誰だったか。ウェンドロウや他の者たちではないことはわかっている。なら、"外"か。どうやって?
 お前は私のものだ、シエナ。





「っ――――――!」

「糧になるのはさてさて、天然の異能持ちのシエナか。それとも私が植え付けたルゼウスか……」




 血で描かれた陣の中央。四肢は鎖で繋がれていた。不気味にウェンドロウが笑う。術は発動されていた。多くの犠牲者の血によって。

 背中が猛烈に痛い。痛すぎて、目の前が点滅した。悲鳴なんか声が涸れて出ない。本当に、痛いときは悲鳴なんか出ない。ただ、苦しいだけ。ここは地獄かもしれない。痛い。背中が、熱い。



 さあ、君は逃げられるかな。




  * * *



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