とある神官の話




 しかも、だ。「いつから呼び捨てに?」と殺意を混ぜて聞けば、つい最近だという。私でさえ呼んでないのに!私もいつかは呼びたいものである。いや、呼んで欲しくもある。


 ―――まあ、いい。


 それよりも私は気になったことがあった。キースから聞いたジャナヤの件である。今のところ何も命じられていないが、何かある。それは確かなことだった。

 それから何故、父―――エドゥアール二世までもが彼女を気にかける?将来の有望株だからか?はっきりとわからない。
 気になったので、初めて彼女の名簿を見たら、驚いた。
 セラヴォルグ・フィンデルの養女であったことは、初めて知った。実の両親は不明だとか。だが、養女となる前があやふやとなっていたのは気になった――――やはり、何か隠している。
 隠している、か……。
 それは、シエナにとって知られたくないことで。でも個人の理由なのか?セラヴォルグ・フィンデルといったら、有名である。ヴァンパイアの神官だった男で―――功績を残した人物だ「おーい」




「電話だぞ、電話」




 気がつかなかった。
 ランジットに「妄想でもしてたか」と言われたので、一発殴っておく。

 エルドレイスです、と出ればやたら賑やかな声を背景とした男の声。




「―――――」




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