とある神官の話
「それにメンバーは、大体決まっています。ここに呼んだヨウカハイネンや、ラッセル然り。それに―――貴方達が考えている以上に、彼女は強いし、強い味方もいますから、メンバーには困らないでしょう」
どうです?と聞いたキースは、真剣だった。それは―――敵対するヒーセル枢機卿がどう動いたとしても潰すという、宣戦布告にも感じた。無言になったヒーセル枢機卿に変わり、他の神官が「では、ブランシェ枢機卿にお任せしよう」と口に出した。変わりに聖都のことは任せよ、と。
会議室から出ていく枢機卿らを見送りつつ、最後の一人が姿を消したのを確認し、第一声を発したのはやはり彼だった。
「くたばれハゲめ」
どっと疲れた顔をしたロマノフ局長が「嫌になるぜ」と呟く。確かに、後味は最悪だった。
重過ぎる、過去。
罪悪感。彼女は、知られたくなかっただろう――――。私もロマノフ局長同様、大きく息を吐く「で」
「ハイネン、やれることはやったが、お前はどうするつもりだ?」
「勿論ジャナヤに行きますよ」
「……ま、そう言うと思ったけどな。だから保険をつけたんだろ」
椅子に腰掛けたハイネンが、長い足を組み替える。その表情は硬い。
今、襲撃されたというシエナはアゼル・クロフォードと一緒だという。それは―――ヒーセル枢機卿等に取り込まれたら厄介だというのもあるのだ。それからノーリッシュブルグのフォンエルズ枢機卿も協力者では大きな存在だろう。
ヒーセル枢機卿は何かある。わかっていて、はっきり追及できるまでのモノが集まりきっていないのだ。わかっていて、追求できない。アゼルが一緒なら彼女は無事であろう。
それに、だ。
彼女の過去がどうであれ、彼女の父親はセラヴォルグ・フィンデルなのだ。
確実に、それは―――――。