とある神官の話







「こういうの、でーとっていうんだろ?」






 最近の子供は進んでいて、時折驚く。曖昧に笑って、カイムにお菓子を選んで貰う。
 私は甘党なので、何だか見ているだけでもちょっぴり幸せな気分を味わえる気がした。



 店の人におまけまで貰い、さて帰ろうかという時だった。

 外に出て、カイムがお店のディスプレイに顔を近づけてはしゃぐのを、私は見た。



 そして――――











「シエナお姉ちゃん……?」






 引きずり込まれるように、背後から思い切り引っ張られた。
 まずい。

 そう思った時には、視界が真っ暗となり、何もわからなくなった。







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