とある神官の話
「ええ。選ばれてハナタレエドゥアールに認められたら、の話しですがね」
「まじかよ。高位神官すっ飛ばして枢機卿って型破りだなあ。ハイネンらしい」
「私の条件は既に決まったも同然だ。猊下には既に話しをつけているからな。ようやく、といったところか」
すごいことになってきた。
私は内心、何ともいえない高揚が生まれていた。アガレス・リッヒィンデルが、不正などを働いていた者たちを殺害したのは、皮肉にもよかったという声も無いとはいえなかった。現教皇が一掃し、落ち着いたとされる今――――また変わろうとしているのではないか。
「まあそれは良いとして――――問題はジャナヤですよ。かつて指名手配されていたウェンドロウは裁かれましたが、もしかしたら彼に関わるかも知れません」
どういうことだ、とアゼルが眉をひそめた。
「ウェンドロウの事件は、全滅とされています。ですが実際、ルゼウスという名の、当時ウェンドロウの元にいた人物がシエナを襲った――――ウェンドロウの意思は何者かによってそっくりそのまま引き継がれていたのでしょう。ルゼウスは生き残ったというより、何者かによって救出されていた」
「その何者かっつーのが、ジャナヤにいるって?」