とある神官の話




「何で貴方まで……」




 転移術によってジャナヤに来たのはいい。アゼルもラッセルも、それからハイネンも一緒なのはわかる。だが――――何故、ゼノンまでいるのか。しかもゼノンに巻き込まれたのか、ランジットもいる。
 何故貴方が。私の悲鳴に近い問いはハイネンの「戦力にはばっちりです」で無理矢理納得させられ、今に至る。

 先頭にハイネンがラッセルと何か話し、アゼルは武器を片手にあちこちを警戒している。ラッセルも同じく、森へと視線を向けていた。

 そんな中、腰に剣をさげたゼノンが笑う「貴方が」




「戦うなら、私も共に戦うのは自然な流れですよ」

「何処をどうしたら自然な流れになるんですか。むしろ違和感ありまくりの流れです……!」




 ストーカー予備軍め。
 私がどうにかなるだけなら、まだいい。だが他は? 私は重い。アゼルも、ハイネンらも大切な人達だ。傷ついて欲しくない。だが、私がいるからこうなったのだ。ウェンドロウに刻まれた傷は、罪でもある。昔言われたことがあった。何故お前のような者がうろついているのかと。

 父が助けてくれたから、私は生きようと思えた。

 けれど―――――。




「シエナさん。ここにいるのは、貴方を好きな人達ですよ」





 まあ私が一番ですが、と雰囲気をぶち壊したゼノン。それに「お前本当さ……もういいや」と苦笑するランジット。それから同じような雰囲気を持つラッセルが振り返り「お前さん、変わった連中に好かれるな」と笑う。

 ――――もっと頼りなさい。

 最後にアゼルがそう言った言葉に、私はどう返したらいいかわからない、と漏らす。なら、と今度は悪戯っぽい笑みを浮かべて振り返ったハイネンが「終わったら新年会に付き合って下さい」




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