とある神官の話




「むさい男ばかりではつまらないですからね」

「おいおい。失礼だな」




 一同の笑み。だがそれはすぐにハイネンの片手を上げ、静止した様子で緊張感が漂う。
 森がひらけた、とでもいうのか。それは見える。木に手をつき、私は顔を上げる。壁。いや、ただの壁ではない。それは聳えるようにぐるりと建物を囲む。高くなっているここからは、不自然な建物。それは破壊されたままな部分もあれば、治されたのか綺麗な部分もある。
 半世紀前を最後に、と聞いていたわりにはやはり「手が入っている」ように見える。ハイネンは動かない。

 このまま向かうか、と思った。が、ハイネンは溜息。




「見たところ、"無理矢理"使ったようなので、あちこちに昔の術が残されたままですね」




 どういうことだ?




「ジャナヤの件は、アガレスと私も関わりました」

「!」

「当時かけた術がまだあちこちに残っているので、なにも完全に使用しているわけじゃなさそうですし―――――さて問題」

「とっとと言え馬鹿」



 殺気だつアゼルに肩をすくませ、「ここから」とハイネンは口を開く。
 今見えている建物へ行くには、他にもルートがある。一帯に村などがあった名残も見られるらしい。確かにな、と思う。森を歩いたが、不自然にひらけている場所があったのだ。
 当日の能力持ちで、木々や植物を扱う者がいたらしく、その力によってジャナヤを封鎖し、森を蘇らせたのだという。


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