とある神官の話






「さあ、行ってあげなさい」

「しかし」

「なあに。上は言わせておけばいいんですよ」







 あちこち引っ掻き回すに近い行為は、上からあれこれ口うるさく言われるのは日常茶飯事。上といっても一部の連中なのだが、とにかくあれこれいってくる。

 ジャンネスは笑って「後のことは、私が何とかしてあげますから」と行ったきり、立ち上がる。アクセサリーを手に握らせる。






「行ってきます」

「ええ」






 足早に出た部屋。

 すれ違う神官が不思議そうな顔をしていたが、構うものか。
 事件は早く解決したい。そして、彼女を助けたい。


 ただ、それだけだ。






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