とある神官の話





 何やってんだあの変人たち!


 そこには、新人が気絶したりして転がる中、銀髪ことゼノン・エルドレイスと、女顔で口が悪いレオドーラ・エーヴァルトが手合わせ(どちらも目がガチなのは気のせい?)していた。
 聞けば最初は新人らに付き合っていたいたが、のちに新人をぶっ飛ばした後、二人して(戦いという名の)二人の世界に入ったとかなんとか。

 距離があき、レオドーラが床を蹴る。迎え撃つのはゼノン。構えて拳を受け流すついでに足が出る。だがレオドーラもみすみす受けるつもりはなく上手く回避。持っていた木刀を一線。
 あたる、と思ったが「"能力持ち"かあの兄ちゃん!」という言葉の通り、"魔術師"の能力をやや使ったらしい。体が不自然な動きであるにも関わらずそれを避けて見せた。着地。



「やるじゃねーか」

「腐っても高位神官ですからね」



 ふっと木刀を担いだレオドーラと、武器を持たないゼノンが対峙。何故武器がないというと、レオドーラに折られたらしい。見れば奥に折られた木刀が転がっている。

 ――――じゃなくて。


 握りしめた拳。問答無用にずかずかと鍛練場へ進む。二人は気がつかず、気がついたときには遅い。



「あ」



 忘れてはならないのが私も"魔術師"であることだ。突然頭上から降ってきたのは、たらい。ガウン、と良い音が鳴ったかと思うと「何しやがる!?」とレオドーラがこちらを向き、同じく頭にたらいが直撃したゼノンも頭を摩りながらこちらを見る。

 当然、二人は「あ、やべ」みたいな顔をしてこちらを見た。そしてやじ馬が「あれってもしかしてファーラントが……」といろいろと気づいたらしく、逃げていく。
 妹に危害を加える奴は"緑化"してやる、というのがファーラントどある。そしてその後にバルニエルの鬼―――アーレンス・ロッシュの耳に入ったらどうなることか。そんなこんなで逃げたのだろう。





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