とある神官の話






 そんな和やか(?)空気を変えたのは、やはりアーレンスだった。




「幽鬼のことは既に聞いているな?」




 それはここにくるまで聞いていた。黒髪の女性を狙うことや、アーレンスが"貴様の娘はどこだ"と言われたりことだとか――――。
 ノーリッシュブルグなどで見かけられている幽鬼。私を探している(?)かも知れないということ……。去年に引き続いて厄介な状況らしい「それで」




「バルニエルには魔物の類は入れないようにはなっているが、狙ってきているのなら、周りに集まるはずだろう。今は一体うろついていたと報告がされている」

「それってあれか、俺が逃がした…?」

「かもな」




 そういや女装をしたとかいっていたアレか。苦い顔をするレオドーラ。
 今のところ一体しか確認されていないそれを、私が、ハイネンが"見てみる"。勿論ゼノンらもであるが―――。

 アーレンスに"貴様の娘はどこだ"と聞いていたのなら、私が召喚主を"見える"可能性が高い。それまではレオドーラやゼノンが傍に護衛としていることになるだろう。守られるとはいえ、よくわからない相手と対峙することになるのか……。

 ぐっと緊張感を高めたまま、それぞれ準備に入る中。私はというと襲われた被害者のように普段着に着替えた。といっても護身用短剣を忍ばせているし、防御術もかけてある。深く傷つくことはないだろう。
 同じくレオドーラやハイネンらにも術をかける。



「なに?」




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