とある神官の話



  * * *






 キース・ブランシェは何となくだが、嫌な予感がした。だがそんなの日常茶飯事。同じ部屋にはジャナヤから戻ってきていたラッセルが新聞を読んでいる「電話」





「鳴ってるぞ?」






 わかっている。キースは気が重いままそれに出れば、ああ!と落ち込みたくなる。電話の主は、『やあキース』ミスラ・フォンエルズであった。
 嫌な予感というのは当たるな、と「如何しました?」と返せば、無言。






「あの」

『一番最近の会議は誰が欠席した?』

「最近ですか?」







 最近の会議といったら、シエナたちがバルニエルへ行ってすぐ。聖都にいる枢機卿の会議は席が空いているのは普通なのだが…ヒーセル枢機卿はいなかった。それから珍しく枢機卿長が不在だったなと思い出す。決定を待つものはなかったからよかったが、珍しいなと思った。
 それを聞いていたミスラが『ふむ』と頷く。

 何かあったのか?
 聞けばバルニエルの幽鬼の件であれこれあったらしい『キース』






『気をつけろ』

「は?え、枢機卿長に?」







 ラッセルがどうした?という顔をしている。枢機卿長に気をつけろと?
 しかもそれはハイネンからの言葉らしく、ミスラも『私にもわからぬ』と首を傾げている。
 あの人はさっぱりだ。







『それからお前自身も気をつけろと』

「……何だか嫌な感じですね」

『まあ用心しろということだ。ハイネンだけじゃない。アーレンス・ロッシュも何かあるらしい―――ふっはははは』

「フォンエルズ、枢機卿?」







 急に笑いはじめたため、キースは青ざめる。これは、まずい。かなりまずい。





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