とある神官の話
中央にある建物。
それは神官たちがいる宮殿である。美しい柱や彫刻が並び、広場の噴水の近くで人々が休む姿が見えた。広場の一部は民間に解放してあるのである。
その広場を颯爽と歩くのは一人の神官だった。若いその青年は美しい銀の髪を揺らしている。
その神官は若いが、高位神官であることを示す衣を纏っている。新人研修生である神官が彼を羨望を含んだ目で見つめ見送る。
「ゼノン・エルドレイスです。入れますよね」
「はっ。どうぞお通り下さい」
広場から続いた道の先に、検問所のような場所がある。青年……ゼノン・エルドレイスは何事もなかったように抜け、宮殿へと足を踏み入れた。
エルドレイスといえば、結構有名人でもある。二十五歳にして高位神官の地位に上り詰め、出世街道まっしぐら、だと。
それのは別ににあるのは、彼の見た目である。
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