とある神官の話






 浮遊する物体が光り初めて、すぐのこと。からん、と何かが落ちたような音ともに踏み倒される音がした。


 ダナ・フィルタ以外にいた二人か、ローブを翻し逃げていく。何があった?

 なだれ込むように入ってきたのは、武装した神官。あちこちの窓を割り、太陽の光を教会内に取り入れた。



 闇に堕ちたものは、そういった光を嫌う。とくに清浄な光を。悲鳴に似た声と怒声が重なった。








「捕縛せよ!」

「武装神官……」






 術のせいで鈍る体のまま、黙って見ていると、一人の男が膝をついた。







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